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2005/10/30(日) 05:14:33 [プロジェクト]

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BBCのサイトにユーロトンネルのファイナンスに関する記事が出ていました。経営難のユーロトンネルが銀行団に対して借入金の2/3の債権放棄を願い出ている件で、ユーロトンネル側が来年1月前の決着にのぞみを持っているというもの。もともとはこの10月に解決しなければ倒産しちゃうよという話だったのですが、やはり銀行側との交渉が思うように進んでいないようです。で、この借入金の2/3がいくらかと言うと、なんと40億ポンド(8000億円)という莫大な金額なのです。

ユーロトンネルはChannel Tunnel(英仏海峡トンネル)を運営する民間事業会社で、トンネルの建設および維持管理を行っています。1986年に事業を受注した2社(イギリスのChannel Tunnel GroupとフランスのFrance-Manche)が統合して誕生したのが始まりです。工事は1987年に着工し、1990年に英仏両サイドから掘り進められたトンネルが貫通、1994年に開通となりました。

1_flags2_203.jpg
トンネル貫通! 私がこの場にいたら、泣いちゃってたと思います

ファイナンス面では、事業開始時の1987年に60億ポンドの資金調達(約20%が出資金、残りが借入による)した後も、膨れ上がる工事費用をまかなうために何度か追加調達をしています。ユーロトンネルの2003年の経営状況を見ると、1億7千万ポンドの営業利益を出しているのですが、銀行などからの借入金に対する利払いが3億ポンドもあり営業利益を大きく上回っています。経営努力でどうこうなるレンジの損失ではなく、確かに事ここに至っては借金帳消しをお願いするしかないでしょう。今までもったのが不思議なくらいです。でも、なんでこんなになっちゃったんでしょうか、せっかくなのでざっと調べてみました。

[膨らむ建設費用]
当初建設予算が45億ポンドであったのに対して、終わってみると100億ポンドに倍増しています。実質的にはこれがすべて。ユーロトンネルは建設工事をTML(ヨーロッパの建設会社からなる大コンソーシアム)に発注しているが、両者間の工事契約がどういうわけかTMLに有利になっています。事業リスクがユーロトンネル側に移転されており、実際にトンネル掘削費用の大幅増加や駅舎設計変更によるコスト増をユーロトンネルが引き受けています。この出費によりユーロトンネルは1994年の供用開始時点で既に多額の借入れを負う事になり、それが財務状況をここまで厳しいものにしています。したたかな建設会社連合がユーロトンネルを食い物にしたといったところでしょうか。

[甘い需要予測]
旅客輸送-年間予測1600万人に対して、630万人(2003年実績)
貨物輸送-年間予測700万トンに対して、170万トン(2003年実績)
日本でもおなじみですが、これだけ違うと予測というより希望という言葉を使ったほうがいいんじゃないかと思えるくらい楽観的な予測です。また、単価面でもフェリーや格安航空会社との価格競争の激化がネガティブに働いています。
ちなみに、鉄道輸送に関してはユーロスターという別の会社が経営しており、輸送量にみあったフィーをユーロトンネルに支払う仕組みになっています。

この問題これからどのように推移するのでしょうか。債権放棄を求められている銀行団は全部で206、日本の銀行のシェアは35%にものぼるそうです。
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