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2006/06/07(水) 06:54:48 [プロジェクト]

先日通った英仏海峡トンネル(ユーロトンネル)の話です。

前にも書いた、英仏海峡トンネルのオペレーターであるEurotunnelが借金まみれになっている件ですが、銀行団が債権放棄などからなるプランに応じることで話が大詰めに来ているようです。

Eurotunnel Debt Deal Moves Closer (BBC)
Eurotunnel in Debt Reduction Deal (BBC)

建設段階からトタブったEurotunnelの借入れは62臆ポンド(約1兆2千億円)という莫大な額。

再建策のひとつとして、ゴールドマンサックスやマッコーリー(インフラ投資に強いオーストラリアの銀行)からなるコンソーシアムが転換社債発行による資金調達に参加するようです。

話は少し変わりますが、今回のゴールドマンサックス&マッコーリー、英BAA(空港オペレーター)に買収を持ちかけているスペインの建設会社Ferrovialなど、昨今イギリスではインフラアセットに対する投資欲が強いようです。現在建設中のChannel Tunnel Rail Link(イギリス初の高速軌道、ユーロスターのSt Pancras乗入れ)買収に関心を持っているグループについての記事も見ました。2012年のオリンピックまでは交通需要が堅調に推移するということなのでしょうか。

また話は変わりますが、ユーロトンネルをはじめ大型プロジェクトはなぜ失敗することが多いのか、について調べた人がいます。
0521009464[1].jpg

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2006/02/06(月) 10:05:33 [プロジェクト]

Crossrail_route.gif

ロンドン市内を横断する鉄道建設が計画されている。市中心部は当然ながら地下鉄となる。工事費用は150億ポンド(3兆円)規模と言われており、単体としてはイギリスの歴史では最大規模の工事である。ちなみに東京湾横断道路の総工事費は約1兆5千億円。

事業主体は英国交通省とロンドン地下鉄のジョイントベンチャーであるクロスレール社である。この工事は1990年代の初頭に着工が予定されていたが、景気の減速の為に先送りされた経緯がある。景気の上昇と共に計画が再浮上し、2012年のオリンピック開催も手伝って着工に向けての話が進んできた。クロスレール社も既にRoyal Bank of ScotlandおよびMott McDonaldをそれぞれファイナンシャルアドバイザー、テクニカルアドバイザーに決めている。ところが国や市、また新線の恩恵を受ける地域の金銭的負担についての話がまとまらずにプレッジがずるずると遅れており、今やオリンピックまでの開通は絶望的となった。今年に入ってもMP(国会議員)が工事について異議を唱えたりしているみたい。こういう工事ってかなりの確率で当初予算をオーバーしたり、需要が予測に届かなかったりするのでMPの言い分は的外れではない。

大都市の中心部で埋設物も沢山あるだろうし、技術的には非常にタフな工事になるのではないかと思う。

2005/12/16(金) 07:51:14 [プロジェクト]

"国土交通省は(12月)8日、アジア諸国で活性化しているBOTやPPP案件に対する、国内建設業の受注環境整備に向け、ゼネコン社員や有識者などで構成する「アジアインフラ研究会」の初会合を開く"(以上、某建設系新聞より抜粋)。

大雑把に言って、公共事業に民間の力を、というお話です。

BOTというのは民間が施設を建設・運営し事業終了後に官に所有権を移転する事業手法で、インフラ整備のニーズが高く財源不足に悩む発展途上国でよく使われるプロジェクト形態です。従来の請負方式が、発注者の準備した資金で施設を建設して完工後に引き渡すのに対し、BOTでは民間の事業主体がプロジェクトファイナンスの手法を使って調達した資金で建設(Build)し、運営(Operate)して出した利益で借入金を払うと同時に出資に見合ったリターンを得たうえで、ホスト国政府・自治体に施設を譲渡します。これまでにも安定的な収入が見込める有料道路、電力、水道、通信などの事業で多くの実績があります。今後アジアでのBOT案件が増えれば、日系ゼネコンも単なる工事請負者としてではなく、出資者としてプロジェクトに関わる機会が増えてくるかもしれません。

日本国内でも公共事業へ民間資本の導入をということで、PPP(官民パートナーシップ)のひとつであるPFI(Private Finance Initiative)の取組みが始まっています。長くなるのでPPPについてはまた別稿で。

20051216010702.jpg
この道の方のブログで紹介されていたので読んでみました。よくまとまってます。

2005/10/30(日) 05:14:33 [プロジェクト]

channel_tunnel_s.gif

BBCのサイトにユーロトンネルのファイナンスに関する記事が出ていました。経営難のユーロトンネルが銀行団に対して借入金の2/3の債権放棄を願い出ている件で、ユーロトンネル側が来年1月前の決着にのぞみを持っているというもの。もともとはこの10月に解決しなければ倒産しちゃうよという話だったのですが、やはり銀行側との交渉が思うように進んでいないようです。で、この借入金の2/3がいくらかと言うと、なんと40億ポンド(8000億円)という莫大な金額なのです。

ユーロトンネルはChannel Tunnel(英仏海峡トンネル)を運営する民間事業会社で、トンネルの建設および維持管理を行っています。1986年に事業を受注した2社(イギリスのChannel Tunnel GroupとフランスのFrance-Manche)が統合して誕生したのが始まりです。工事は1987年に着工し、1990年に英仏両サイドから掘り進められたトンネルが貫通、1994年に開通となりました。

1_flags2_203.jpg
トンネル貫通! 私がこの場にいたら、泣いちゃってたと思います

ファイナンス面では、事業開始時の1987年に60億ポンドの資金調達(約20%が出資金、残りが借入による)した後も、膨れ上がる工事費用をまかなうために何度か追加調達をしています。ユーロトンネルの2003年の経営状況を見ると、1億7千万ポンドの営業利益を出しているのですが、銀行などからの借入金に対する利払いが3億ポンドもあり営業利益を大きく上回っています。経営努力でどうこうなるレンジの損失ではなく、確かに事ここに至っては借金帳消しをお願いするしかないでしょう。今までもったのが不思議なくらいです。でも、なんでこんなになっちゃったんでしょうか、せっかくなのでざっと調べてみました。

[膨らむ建設費用]
当初建設予算が45億ポンドであったのに対して、終わってみると100億ポンドに倍増しています。実質的にはこれがすべて。ユーロトンネルは建設工事をTML(ヨーロッパの建設会社からなる大コンソーシアム)に発注しているが、両者間の工事契約がどういうわけかTMLに有利になっています。事業リスクがユーロトンネル側に移転されており、実際にトンネル掘削費用の大幅増加や駅舎設計変更によるコスト増をユーロトンネルが引き受けています。この出費によりユーロトンネルは1994年の供用開始時点で既に多額の借入れを負う事になり、それが財務状況をここまで厳しいものにしています。したたかな建設会社連合がユーロトンネルを食い物にしたといったところでしょうか。

[甘い需要予測]
旅客輸送-年間予測1600万人に対して、630万人(2003年実績)
貨物輸送-年間予測700万トンに対して、170万トン(2003年実績)
日本でもおなじみですが、これだけ違うと予測というより希望という言葉を使ったほうがいいんじゃないかと思えるくらい楽観的な予測です。また、単価面でもフェリーや格安航空会社との価格競争の激化がネガティブに働いています。
ちなみに、鉄道輸送に関してはユーロスターという別の会社が経営しており、輸送量にみあったフィーをユーロトンネルに支払う仕組みになっています。

この問題これからどのように推移するのでしょうか。債権放棄を求められている銀行団は全部で206、日本の銀行のシェアは35%にものぼるそうです。

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